サポーターをつけてみたけれど、これでいいのか分からない

膝が気になって、膝サポーターを買ってみた。つけると、なんとなく安心する。

けれど、歩いているうちにずり下がってくる。きつく締めると、膝の裏が食い込んで痛い。つけていると安心なので、朝から夜まで、気づけば一日中つけている。

本当にこの使い方でいいのか、分からないまま使っている方もいるかもしれません。膝サポーターの使い方で見直したいのは、どれを選ぶかと同じくらい、どうつけて、どの場面で使うかです。

膝サポーターは、つける場面を決めて使う道具

膝サポーターは、膝まわりを包んで、動くときの不安をやわらげたり、膝を冷やしにくくしたりする道具です。薄手の筒のような形のもの、お皿のまわりにパッドがあるもの、両側に支えの入ったもの、ベルトで巻いて留めるものなど、形によっても役割が少しずつ違います。

どの形でも、使い心地を左右しやすいのは次の2つです。

  • 合った位置に、合った締め具合でつけられているか
  • 膝に負担がかかる場面で使えているか

膝サポーターは、つける場面を決めて使う道具です。

つけている時間が長いほど安心、というわけではありません。歩く、階段を使う、立ち仕事をするなど、膝を使う場面に合わせて使うことで、道具の役割が生きてきます。

この記事では、日常生活で使う一般的な膝サポーターを中心に説明します。けがや手術後に処方された装具は、目的や種類によって使い方が異なるため、医療機関からの指示を優先してください。

⚠️ ただし、サポーターは膝の痛みの原因を取りのぞく道具ではありません。膝の痛みには、さまざまな背景があります。腫れている、転んだりひねったりしたあとから痛む、膝が伸ばしきれない・曲げきれないといった場合は、サポーターで様子を見る前に、先に受診の目安をご覧ください。

膝サポーターでやりがちな3つのこと

① 位置がずれたまま使っている

お皿のまわりに穴やパッドがあるサポーターで、穴がお皿からずれている。上下や前後の向きが逆になっている。膝の裏で生地がよれて、しわになっている。

位置がずれていると、膝を支えてほしい場所に当たらず、かえって一部分だけが食い込むことがあります。歩いているうちにずれていくのに、気づかずにそのまま使っていることもあります。

② きつく締めるほど、よく効くと思っている

しっかり支えてほしくて、ベルトをきつく締める。小さめのサイズを選んで、ぴったり押さえる。

締めすぎると、膝の裏やふくらはぎが圧迫されて、しびれや痛み、むくみにつながることがあります。サポーターは、きつく締めるほど役に立つものではありません。

③ 一日中、寝るときもつけたままにしている

つけていると安心なので、外すタイミングがない。座っているときも、夜寝るときもつけたまま。

長時間つけていると、製品や肌の状態によっては、蒸れやこすれ、圧迫による不快感が出ることがあります。つけている時間だけで判断するのではなく、肌の状態や使用目的に合わせて、必要に応じて外して確認したいところです。

膝サポーターのつけ方と締め具合

① 膝を少し曲げた、楽な姿勢でつける

多くのサポーターは、膝を伸ばしきった状態ではなく、少し曲げた楽な姿勢でつけるように説明されています。椅子に座って、足の裏を床につけた姿勢でつけると落ち着いてつけやすくなります。

つけ方や向きは製品によって違うので、まずは製品の説明書に沿ってください。

② 位置と向きを合わせて、しわを伸ばす

  1. 上下・前後の向きを、製品の表示で確かめます
  2. お皿のまわりに穴やパッドがあるものは、お皿の位置に合わせます
  3. 膝の裏や、太もも・すねの側で、生地がよれていないか確かめて、しわを伸ばします

つけたあとに、膝を何回か軽く曲げ伸ばしして、ずれたり食い込んだりしないかを確かめます。

③ 締め具合は「苦しくない」を目安に

ベルトで留めるものは、強く引っ張らずに、肌に沿わせるように留めます。筒状のものは、サイズ表を見て、自分の膝まわりに合ったものを選びます。

つけたあとに、次のような変化があれば、いったん外して状態を確認してください。

  • 膝から下がしびれる、じんじんする
  • 足先が冷たい、色がいつもと違う
  • 痛みが出る、皮膚に強い赤みやかゆみが出る
  • 圧迫感が強い、同じ場所が強く食い込む

締めすぎのほか、サイズや形が合っていない、素材が肌に合わないといったことも考えられます。位置や締め具合を調整しても症状が続く場合は、無理に使い続けず、医療機関などに相談してください。しびれや足先の冷たさ、色の変化が強いときは、ゆるめて様子を見るのではなく、早めに対応しましょう。

しっかり支えたいときほど、きつく締めるより、位置を合わせる。

つける場面を決めて、こまめに見直す

① 膝を使う場面を中心につける

つける場面の例です。

  • 歩いて出かけるとき、階段を使うとき
  • 立ち仕事や、しゃがむことが多い家事をするとき
  • 運動をするとき

日常生活で使う一般的な膝サポーターは、休憩中や寝るときに必ずつけておく必要はありません。蒸れや圧迫、皮膚への刺激が気になる場合は外して、肌の状態を確認しましょう。いつつけて、いつ外すかを決めておくと、つけっぱなしになりにくくなります。

ただし、けがや手術後に医療機関から装具を処方されている場合は、自己判断で外さず、指示された装着時間や使用方法に従ってください。

② ずれたら、その場でつけ直す

歩いているうちにずれてきたら、そのままにせず、一度つけ直します。何度もずれる場合は、サイズや形が合っていないこともあります。

外したときには、肌に赤みやかゆみ、かぶれが出ていないかも見てください。肌に傷や湿疹があるところには、サポーターを当てないようにします。

③ サポーターを使っても変わらないなら、使い方以外も見る

サポーターをつけても、歩くときや階段で痛みが変わらない、むしろ強くなっている。そんなときは、サポーターの使い方だけでなく、膝の状態そのものを見てもらうきっかけにしてください。痛みが続いている場合や、悪化している場合は、医療機関に相談しましょう。

また、サポーターは、膝を支える筋肉の代わりになるものではありません。サポーターに頼って、歩く量や体を動かす機会が減ってしまうと、膝まわりの筋力を保ちにくくなります。サポーターを使いながらも、痛みが強くならない範囲で体を動かす機会を残しておきましょう。

サポーターは、膝と向き合うための道具の1つです。

階段を降りるときの膝の痛みについては、階段を降りると膝が痛いで、膝の裏の痛みについては膝の裏が痛いでお伝えしています。

まとめ

膝サポーターの使い方で見直したいのは、次の3点です。

  • 位置と向きを合わせる——お皿の位置に合わせて、しわを伸ばします
  • きつく締めすぎない——しびれや足先の冷たさがあれば、ゆるめます
  • つける場面を決める——膝を使う場面を中心につけて、外したときに肌の状態を確かめます

膝サポーターは、つけている時間の長さより、合った位置で、合った場面に使えているかが大切です。

次につけるときは、椅子に座って、お皿の位置としわを確かめてからつけてみてください。それで十分な一歩です。

セルフチェック

まずは、いつもの使い方を振り返ってみましょう。

  • ①歩いているうちに、サポーターがずれてくる
  • ②しっかり支えたくて、きつく締めている
  • ③朝から夜まで、つけたままのことが多い
  • ④外したあとに、跡が強く残る、肌が赤い・かゆい
  • ⑤サポーターをつけても、膝の痛みが変わらない、または強くなっている

当てはまる数が多いほど悪い、という表ではありません。当てはまった項目が、そのまま先に見直す場所です。

  • ① → つけ方と締め具合の②へ。位置と向きを合わせて、しわを伸ばします
  • ②④ → 同じく③へ。締め具合を見直します
  • ③ → つける場面を決めて、こまめに見直すの①へ。つける場面を決めて、外したときに肌の状態を確かめます
  • ⑤ → 同じく③へ。痛みが続く場合は、医療機関に相談します

全部やろうとしなくて大丈夫です。1つ選べば十分です。

膝が腫れている、転んだりひねったりしたあとから痛む場合は、使い方の見直しよりも受診を優先してください。詳しくは受診の目安で確認できます。

やりがちなNG

  • お皿の位置がずれたまま、しわになったまま使い続ける
  • 支えたい一心で、ベルトをきつく締める
  • 肌の赤みやかゆみを確かめないまま、一日中つけっぱなしにする
  • しびれや足先の冷たさがあるのに、そのまま使い続ける
  • サポーターをつけていれば大丈夫と思って、腫れや強い痛みを様子見する

受診の目安

次のいずれかに当てはまる場合は、サポーターで様子を見ずに、整形外科などの医療機関へ相談してください。

  • 膝が腫れている、熱っぽい、赤い
  • 膝が伸ばしきれない、曲げきれない、途中で引っかかって動かなくなる
  • 膝に力が入らず、がくっと抜ける感じがある
  • じっとしていても痛む、夜も痛む
  • サポーターを使っても痛みが続いている
  • 使い方を見直しても痛みが改善しない、または徐々に悪化している
  • 痛みのために、歩くことや階段の上り下りがつらい

転んだりひねったりしたあとに、膝が急に腫れてきた、体重をかけられない、膝が動かなくなった場合は、サポーターで調整を試すより先に、すぐに医療機関を受診してください。

また、サポーターをつけていて、しびれや痛み、足先の冷たさや色の変化が出たときは、すぐに外してください。外しても治まらない場合は、早めに医療機関に相談してください。

よくある質問

Q1. 寝るときもつけたほうがいいですか?

日常生活で使う一般的な膝サポーターなら、寝るときに必ずつけておく必要はありません。つけたままだと、製品や肌の状態によっては、蒸れやこすれ、圧迫が気になることがあります。けがや手術後に医療機関から装具を処方されている場合は、自己判断で外さず、指示された装着時間や使用方法に従ってください。

Q2. 薄手のものと、支えの入ったもの、どちらを選べばいいですか?

どんな場面で使いたいかで、選び方が変わります。薄手のものは、動きやすさや保温性を重視した製品が多く、支えの入ったものは、膝の安定性を補助することを目的とした製品があります。ただし、役割や適した使用場面は製品によって異なります。購入するときは製品の説明を確認し、痛みや不安が強い場合は医療機関で相談してください。

Q3. サイズはどうやって選べばいいですか?

製品ごとに、測る場所とサイズ表が決まっています。多くは膝のお皿のまわりや、その上下の太さを測ります。説明に沿って測り、きつすぎず、ずれにくいサイズを選んでください。

Q4. 両方の膝につけてもいいですか?

両方の膝が気になるなら、両方につけて構いません。ただし、つけ方や締め具合、つける場面の考え方は、片方につけるときと同じです。左右それぞれで、ずれや締めすぎがないか確かめてください。

Q5. ずっとつけていると、筋肉が弱くなりますか?

一般的なサポーターを使うこと自体で筋力が落ちる、というはっきりした根拠は、今のところありません。気をつけたいのは、サポーターに頼って、歩く量や体を動かす機会が減ることです。サポーターを使いながらも、痛みが強くならない範囲で体を動かしてください。膝の動きを止める装具を長く使う場合は、医療機関の指示に従ってください。

✍️ この記事の執筆者

ふみや|柔道整復師

整形外科クリニックのリハビリ室での臨床経験あり。30代以降の体の不調と向き合ってきた立場から、痛み・こり・姿勢・運動のセルフケアを「やさしく、でも本質を外さず」をモットーに発信しています。

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