朝起きると、首が重い

枕の高さの合わせ方が分からないまま、なんとなく今の枕を使っている。そんな方もいるのではないでしょうか。

  • 朝起きると、首や肩が重い
  • 夜中に何度も枕の位置を直している
  • 横向きになると、なんとなく落ち着かない

「枕が合っていないのかもしれない」と、新しい枕を買ってみる。高いものから低いものへ、低いものから高いものへ。何度か買い替えたけれど、しっくりこない。そんなこともあるかもしれません。

枕を買い替える前に、できることがあります。

枕の高さは、数字ではなく寝た姿で合わせる

枕の高さは、「何センチがよい」と決まるものではありません。体の大きさ、肩の幅、寝る向き、敷き布団やマットレスの沈み込み方によって、合う高さは人それぞれ変わります。

見てほしいのは数字ではなく、寝たときの頭と首の「崩れ方」です。

枕は、数字ではなく、寝た姿で合わせる。

高さを確かめるときは、いきなり枕を買い替えず、たたんだバスタオルで少しずつ試すところから始められます。

⚠️ ただし、朝の首の重さや痛みは、枕だけが原因とは限りません。日中の姿勢や首の使い方、睡眠の状態なども関わります。腕や手にしびれがある、手の細かい動きがしにくい、歩くと脚がもつれるといった場合は、枕を替える前に受診の目安をご覧ください。

枕の高さの合わせ方でつまずきやすい3つのこと

① 高さを、数字やほかの人の感覚で決めている

「この高さがいい」と聞いた数字に合わせる。家族と同じ枕を使う。お店で寝た数分の感覚だけで決める。

合う高さは、体格や寝具によって変わります。ほかの人に合う高さが、自分にも合うとは限りません。

② 仰向けだけで合わせて、横向きを見ていない

枕を選ぶとき、仰向けで寝て確かめることが多いかもしれません。

ところが、人は寝ている間に寝返りをして、横向きになる時間もあります。横向きでは、肩幅の分だけ頭と敷き布団・マットレスの間にすき間ができます。そのすき間を枕が支えられていないと、頭が下がりやすくなります。

ただし、必要な高さは肩幅だけでなく、肩の沈み込み方や寝具の硬さによっても変わります。

③ 後頭部だけを、枕にのせている

枕と肩のあいだが大きくあいて、後頭部だけが枕にのっていると、首の後ろが枕から浮いて、すき間があきやすくなります。

高さを変える前に、首の後ろまで枕が届いているかを確かめてみてください。

仰向けと横向きで、高さを確かめる

① 仰向け:あごの向きと、のどのつまり方を見る

いつもの敷き布団やマットレスの上で、いつもの枕に仰向けで寝てみます。首の後ろまで枕が届く位置に、頭をのせてください。

  • あごが上がり、首が反っているように感じる → 枕が低すぎる可能性があります
  • あごが引けて、のどが詰まる感じや首の前側に窮屈さがある → 枕が高すぎる可能性があります

ただし、あごの向きだけで合う高さを決めることはできません。首に無理な力が入っていないか、呼吸や寝心地に違和感がないかも、あわせて確かめましょう。

② 横向き:頭がどちらに傾くかを見る

横向きに寝て、頭がどちらに傾くかを見ます。

  • 頭が敷き布団の側へ下がっている → 低い可能性があります
  • 頭が天井の側へ持ち上がっている → 高い可能性があります

横向きの姿は、自分では分かりにくいものです。ご家族に足元の側から見てもらう、スマートフォンで撮ってもらうと、傾きが分かりやすくなります。

③ タオルで、少しずつ合わせる

高さが合っていないと感じたら、今の枕を基準にして、たたんだバスタオルで少しずつ調整してみましょう。

  • 低く感じる場合:枕の下に薄くたたんだタオルを敷き、少しずつ高さを足す
  • 高く感じる場合:枕の中身を調整できるものなら減らす。難しい場合は、今の枕より薄いタオルを枕の代わりにして試す

一度に大きく変えず、少しずつ調整してください。タオルは、寝ているあいだにずれにくいように平らに置き、折り目が首に当たらないようにします。

買い替える前に、タオルで方向を確かめる。

高さを変えたら、仰向けと横向きの両方で、首に無理な反りや傾きが出ていないか、寝心地に違和感がないかを確かめましょう。どちらかにぴったり合わせるより、両方で無理のない高さを目安にしてください。

タオルで試すのは、自分に合いそうな方向を探すための方法です。これで「いちばん合う高さ」が決まるわけではありません。

腕や手にしびれがある方で、首を後ろに反らすと症状が強くなる場合は、自己流で高さを探る前に医療機関で相談してください(※1)。

合わせた高さを、暮らしの中で見直す

① ひと晩で決めず、数日続けて朝の様子を見る

高さを変えたら、ひと晩の寝心地だけで決めず、数日間、朝の様子を見てみましょう。

確かめるのは、朝起きたときの首や肩の重さ、寝つき、夜中に枕の位置を直していないか、などです。違和感が少なく、朝の調子もよければ、その高さを続けてみましょう。

反対に、首の痛みが強くなる、しびれが出るといった変化があれば、無理に続けず、調整前の高さに戻してください。必要に応じて、医療機関に相談しましょう。

② 寝返りが打ちやすいかも見る

高さだけでなく、寝返りのしやすさも大切です。

  • 寝返りのたびに、頭が枕から落ちていないか
  • 頭が深く沈みこんで、向きを変えにくくなっていないか

枕が高すぎたり低すぎたりすると、寝返りのときに頭が枕から落ちたり、向きを変えにくく感じたりすることがあります。高さだけでなく、頭が沈み込みすぎないか、寝返りをしたときに首や肩に違和感がないかも確かめてみましょう。寝違えをくり返す方は、寝違えをくり返す理由もあわせてご覧ください。

③ 寝具が変わったら、合わせ直す

敷き布団やマットレスを替えると、体の沈み込み方が変わり、同じ枕でも高く感じたり低く感じたりすることがあります。

枕が長く使ってへたってきたときも、高さが変わっています。寝具や枕の状態が変わったら、仰向けと横向きでもう一度確かめてみましょう。

日中の首の使い方が気になる方は、首のストレッチが効かない理由もあわせてご覧ください。

まとめ

枕の高さの合わせ方で見直したいのは、次の3点です。

  • 数字ではなく、寝た姿で見る——仰向けはあごの向き、横向きは頭の傾き
  • 買い替える前に、タオルで試す——今の枕を基準に、少しずつ
  • 数日続けて、朝の様子で決める——寝具が変わったら合わせ直す

枕の高さは、一度決めたら終わりではありません。体や寝具の状態に合わせて、ときどき見直していくものです。

今夜は、横向きになった姿をご家族に見てもらうか、スマートフォンで撮ってみてください。それで十分な一歩です。

セルフチェック

まずは、今の枕と寝たときの様子を振り返ってみましょう。

  • ①枕の高さを、聞いた数字やお店での数分の感覚で決めた
  • ②仰向けでは気にならないが、横向きになると落ち着かない
  • ③後頭部だけが枕にのっていて、首の後ろが浮いている
  • ④夜中に何度も枕の位置を直している、寝返りのたびに頭が落ちる
  • ⑤敷き布団やマットレスを替えたが、枕はそのままにしている

当てはまる数が多いほど悪い、という表ではありません。当てはまった項目が、先に見直す場所です。

全部やろうとしなくて大丈夫です。1つ選べば十分です。

次の症状がある場合は、枕の見直しよりも受診を優先してください。

  • 腕や手にしびれや痛みがあり、続いている
  • ボタンをはめる、箸を使う、字を書くといった手の動きがしにくい、歩くと脚がもつれる

やりがちなNG

  • 数字だけを頼りに、高さを決める
  • ひと晩で合わないと決めて、次々に枕を買い替える
  • 枕を二つ重ねるなど、一気に大きく高さを変える
  • 高さを変えて首の痛みやしびれが強くなったのに、そのまま続ける
  • 首の痛みやしびれを枕のせいだと思って、様子を見続ける

受診の目安

次のいずれかに当てはまる場合は、枕の調整だけで様子を見ずに、整形外科などの医療機関へ相談してください。

  • 首の痛みが続いている、またはだんだん強くなっている
  • 肩から腕、手にかけて痛みやしびれがある。首を後ろに反らすと強くなる(※1)
  • 腕や手に力が入りにくい
  • ボタンのはめ外しや箸を使う、字を書くといった手の動きがしにくくなった、歩くと脚がもつれる(※2)
  • 転んだ、ぶつけた、交通事故にあったあとから首が痛む

手の細かい動きがしにくくなったり、歩くと脚がもつれたりする場合は、首の神経が圧迫されている可能性もあります。枕の調整だけで様子を見ず、早めに医療機関を受診してください。

突然の激しい頭痛、手足に力が入らない、ろれつが回らないといった症状がある場合は、枕の問題ではありません。すぐに救急車を呼んでください。

よくある質問

Q1. 枕なしで寝るのはどうですか?

枕なしが合う方もいれば、合わない方もいます。枕がないと、仰向けであごが上がったり、横向きで頭が敷き布団の側へ下がったりすることがあります。試すなら、薄いバスタオルを1枚使うところから始めてみてください。

Q2. 高い枕と低い枕、どちらがいいですか?

どちらがよいとは、一概には言えません。体格や寝る向き、寝具によって合う高さは変わります。この記事の方法で、仰向けと横向きの両方で、極端な傾きや反りが出ない高さを探してみてください。

Q3. 測ってつくる枕なら、合いますか?

選択肢の1つですが、それだけで合うとは限りません。測ったときの寝具と、ご自宅の敷き布団やマットレスが違うと、同じ枕でも高さの感じ方が変わることがあります。買う前に、タオルでおおよその方向を確かめておくと、選びやすくなります。

Q4. 仰向けと横向き、どちらで寝るのがいいですか?

寝返りをするので、どちらか一方に決める必要はありません。大切なのは、仰向けでも横向きでも、首に無理がかかりにくいことです。両方で確かめて、どちらでも極端な傾きが出ない高さを目安にしてください。

出典・参考文献

※1 頚椎症性神経根症|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる(2026年10月30日閲覧)

※2 頚椎症性脊髄症|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる(2026年10月30日閲覧)

✍️ この記事の執筆者

ふみや|柔道整復師

整形外科クリニックのリハビリ室での臨床経験あり。30代以降の体の不調と向き合ってきた立場から、痛み・こり・姿勢・運動のセルフケアを「やさしく、でも本質を外さず」をモットーに発信しています。

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