子どものころは、何回でも跳べたのに

運動不足が気になる。道具は縄1本で、家の近くでもできる。そう思って、久しぶりに縄跳びを始めてみた。

跳んでみると、意外と体が覚えている。楽しくなって、つい続けて跳んでしまう。

ところが次の日、ふくらはぎがパンパンに張っている。かかとの少し上、アキレス腱のあたりも気になる。

子どものころは何回でも跳べたのに、と思う方もいるかもしれません。大人の縄跳びの始め方で見直したいのは、体力よりも、跳び方と区切り方です。

縄跳びは、跳ぶたびに足で体重を受け止める運動

縄跳びは、跳ぶたびに着地して、体重を足で受け止める運動です。ふくらはぎやアキレス腱には、跳ぶことと着地することをくり返すなかで、負荷が何度もかかります。跳び方や運動量によっては疲労がたまり、翌日に張りや痛みが出ることがあります。

縄跳びでは、足の指の付け根あたりで着地する跳び方がよく使われます。ただし、「つま先で跳ぶ」を意識しすぎて、ふくらはぎに力を入れ続ける必要はありません。かかとを無理に浮かせ続けようとせず、力みの少ない小さな跳び方を心がけましょう。

高く跳ばず、力みの少ない小さな跳び方で。

かかとが自然に軽く床に触れることもあります。毎回かかとを床につけることよりも、高く跳びすぎず、無理なく着地できることを大切にしてください。

⚠️ ただし、ふくらはぎやアキレス腱のあたりの痛みには、跳び方以外にもさまざまな背景があります。もともと膝や足首、アキレス腱に痛みがある方、以前に大きなけがをした方、骨が弱くなっていると言われている方は、始める前に医療機関で相談しておくと安心です。急な強い痛みが出たときは、先に受診の目安をご覧ください。

大人が縄跳びでやりがちな3つのこと

① つま先を意識しすぎて、ふくらはぎに力を入れ続ける

「つま先で跳ぶ」を意識しすぎて、かかとを浮かせ続けようと、ふくらはぎに力が入りっぱなしになる形です。

跳んでいる最中はがんばれても、疲れがたまったまま跳び続けると、翌日にふくらはぎの張りや、アキレス腱のあたりの違和感として出てくることがあります。

② 縄を越えようと、高く跳ぶ

縄に引っかからないように、膝を大きく曲げて、高く跳び上がる形です。

縄が通るすき間は、それほど高くなくても足ります。高く跳ぶほど、着地のたびに受け止める衝撃も大きくなりやすくなります。膝を大きく曲げて跳び上がると、太ももにも負担がかかり、早く疲れやすくなります。

③ 子どものころの感覚で、続けて跳ぶ

意外と跳べると、引っかかるまで続けて跳びたくなります。

ただ、子どものころとは体重も、ふだんの運動量も違います。息がまだ大丈夫でも、ふくらはぎや足首のまわりが先に疲れていることがあります。

ジョギングでも同じことが起こりやすく、ジョギングの始め方では「まだ走れる」と思ったところが、やめどきとお伝えしました。縄跳びも同じです。

痛めにくい縄跳びの始め方

① 縄を持たずに、その場で小さく弾む

いきなり縄を回さなくて大丈夫です。まずは縄を持たずに、その場で小さく弾んでみてください。

  1. 足は軽く開いて立ちます
  2. 膝は伸ばしきらず、軽くゆるめておきます
  3. 床から少し浮くくらいの高さで、小さく弾みます
  4. 着地は足の指の付け根あたりで受けます。かかとが自然に軽く床に触れてもかまいません

ふくらはぎに力が入りっぱなしになっていないか、ときどき確かめてください。弾み方に慣れてから、縄を持ちます。

② 縄の長さを、体に合わせる

縄が長すぎると、床をたたいて引っかかりやすくなります。短すぎると、縄を越えようとして高く跳びやすくなります。

長さの目安は、縄の真ん中を両足で踏んで、持ち手を引き上げたときに、持ち手が胸から脇の下あたりにくるくらいです。長さを調整できる縄なら、合わせてから跳び始めましょう。

縄は、腕を大きく振り回すより、手首を小さく回すイメージで回します。手首だけで無理に回そうとせず、肘はわきに近づけて、肩や肘に余計な力が入らないようにします。

③ 短く跳んで、休んで、また跳ぶ

続けて跳べるところまで跳ぶのではなく、短く区切ります。

  1. 少し跳んだら、縄を止めます
  2. その場で足踏みをするか、少し歩いて息を整えます
  3. また少し跳びます

跳べるところまで跳ぶより、余裕があるところで縄を止める。

最初の何回かは、物足りないくらいで終えるのがちょうどいいです。跳び終わったら、息を整えながら、少し歩いて終えましょう。

続けるために、跳ぶ場所と翌日の体を見る

跳ぶ場所と靴を選ぶ

縄跳びは、跳ぶ場所で足への負担が変わります。

  • 平らで滑りにくく、足元が安定している場所を選びます。硬い路面では着地の衝撃が気になることもあるため、運動に適した場所を選びましょう
  • 柔らかすぎるマットや、滑りやすい場所は避けます
  • 裸足やスリッパは避け、クッション性のある運動靴を履きます
  • 靴ひもを結び直して、靴の中で足が大きく動かないようにします

集合住宅の室内で跳ぶときは、下の階への音や振動にも気を配りましょう。室内で跳ぶのが難しい日は、縄を持たずに小さく弾むだけでも、体を動かす機会になります。

翌日の痛みを、2つに分けて見る

跳んだ翌日は、体に聞いてみてください。

  • ふくらはぎ全体が張る感じ:運動に慣れていない場合、張りや筋肉痛が出ることがあります。強い痛みや腫れがなく、日常生活に支障がなければ、次の回は量を控えめにして様子をみます
  • アキレス腱のあたり、すね、足の甲など、特定の場所に出る痛み:跳ぶ量や跳び方を見直すきっかけになります。次の回は量を減らすか、1回お休みしてください

全体が張る感じと、特定の場所の痛みは、分けて考えます。

ただし、痛む場所だけで原因を判断することはできません。2つに分けるのは、次に跳ぶ量を考えるための手がかりです。特定の場所の痛みがあるときは、無理に運動を続けず、痛みの程度や経過に応じて医療機関に相談してください。

アキレス腱のあたりの痛みについては、アキレス腱が痛いでくわしくお伝えしました。

間に休みの日をはさむ

始めたばかりのころは、跳んだ日の次に休みを入れるくらいから始めても十分です。

続けるコツは、跳べる回数を増やすことより、痛めずに次の回を迎えることです。

まとめ

大人が縄跳びを始めるときに見直したいのは、次の3点です。

  • 低く、力みの少ない跳び方で——つま先を意識しすぎて、ふくらはぎに力を入れ続けません
  • 高く跳ばない——縄が通るすき間があれば十分です
  • 短く区切って、余裕があるうちに止める——翌日の体で量を決めます

縄跳びは、縄1本で始められる運動です。だからこそ、最初の数回は張り切りすぎず、痛めずに続けられる跳び方を身につけるところから始めてみてください。

今日は、縄を持たずに、その場で小さく弾んでみる。それで十分な1回目です。

セルフチェック

まずは、跳び方を振り返ってみましょう。

  • ①つま先を意識しすぎて、ふくらはぎに力が入りっぱなしになる
  • ②縄に引っかからないように、高く跳び上がっている
  • ③引っかかるまで、続けて跳んでしまう
  • ④硬い床やアスファルトの上で、裸足や薄い靴で跳んでいる
  • ⑤跳んだ翌日、アキレス腱のあたりやすねなど、特定の場所が痛む

当てはまる数が多いほど悪い、という表ではありません。当てはまった項目が、そのまま先に見直す場所です。

  • ①② → 痛めにくい縄跳びの始め方の①へ。縄を持たずに、小さく弾むところから
  • ③ → 同じく③へ。短く区切って、余裕があるうちに止めます
  • ④ → 跳ぶ場所と翌日の体を見るへ。場所と靴を見直します
  • ⑤ → 同じく翌日の痛みを2つに分けて見て、量を減らすか、お休みします

全部やろうとしなくて大丈夫です。1つ選べば十分です。

急な強い痛みや腫れがある場合、足をつくのが難しい場合は、跳び方の見直しよりも受診を優先してください。詳しい目安は受診の目安で確認できます。

やりがちなNG

  • 子どものころの感覚で、引っかかるまで続けて跳ぶ
  • つま先を意識しすぎて、ふくらはぎに力を入れたまま跳び続ける
  • 痛みがあるのに、翌日も同じ量を跳ぶ
  • 硬い床やアスファルトの上で、裸足やスリッパで跳ぶ
  • 跳び終わったら、歩かずにその場で座り込む

受診の目安

次のいずれかに当てはまる場合は、跳ぶのをやめて、整形外科などの医療機関へ相談してください。

  • 腫れている、熱っぽい
  • 押すと一点が強く痛む(すね、足の甲、かかとなど)
  • じっとしていても痛む、夜も痛む
  • 足をつくと痛くて、かばって歩いてしまう
  • 休んでも痛みが引かない、または跳ぶたびに強くなっている

跳んでいる最中に、ふくらはぎやかかとの上を後ろから蹴られたような感じがして、つま先立ちがしにくくなった場合は、様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。アキレス腱やふくらはぎの筋肉を痛めている可能性があります。

また、跳んでいる最中に胸の痛み、強い息苦しさ、気を失いそうな感じが出たときは、すぐに中止してください。症状が強い、またはおさまらない場合は、救急車を呼ぶことも含めて、ためらわずに対応してください。

よくある質問

Q1. 1日に何回跳べばいいですか?

回数は決めず、余裕があるうちに止めるところから始めてください。体重やふだんの運動量で、ちょうどいい量は人によって違います。短く跳んで休むのをくり返し、翌日に特定の場所の痛みが残らない量を目安にします。

Q2. 膝が心配です。縄跳びをしてもいいですか?

膝に痛みや腫れがある場合は、先に整形外科などの医療機関で相談してください。痛みがなく、不安があるくらいなら、高く跳ばず、膝を伸ばしきらずに小さく弾むところから試します。跳んだあとや翌日に膝の痛みが出る場合は、無理に続けないでください。

Q3. 縄を持たずに跳ぶだけでも、運動になりますか?

縄を持たずに小さく弾むだけでも、体を動かす機会になります。縄に引っかかる心配がないので、跳び方を確かめたいときや、室内で縄を回せないときにも向いています。

Q4. ふくらはぎが張ったら、次の日も跳んでいいですか?

全体が張る程度なら、量を控えめにするか、1日お休みしてください。アキレス腱のあたりやすねなど、特定の場所に痛みがあるときは、跳ぶのをお休みします。休んでも痛みが引かない、跳ぶたびに強くなる場合は、医療機関で相談してください。

🌿 縄跳びを選ぶなら
大人用の縄跳びを1つご紹介します。どの縄を使う場合も、この記事でお伝えした「縄を持たずに小さく弾むところから」「短く区切って、余裕があるうちに止める」は同じです。
BURANOUS 縄跳び(大人用・トレーニング用)
大人向けとして売られている、トレーニング用の縄跳びです。使う前に、縄の真ん中を両足で踏んで、持ち手が胸から脇の下あたりにくるか確かめてください。長さが合わないときの調整のしかたは、商品の説明でご確認ください。膝や足首、アキレス腱のあたりに痛みや腫れがある方は、使う前に医療機関で相談してください。跳んでいる最中にふくらはぎやかかとの上に急に強い痛みが出たら、すぐにやめてください。

※本記事にはアフィリエイトリンク(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)が含まれています。商品を購入された場合、当サイトに紹介料が支払われることがありますが、商品価格に影響はありません。

✍️ この記事の執筆者

ふみや|柔道整復師

整形外科クリニックのリハビリ室での臨床経験あり。30代以降の体の不調と向き合ってきた立場から、痛み・こり・姿勢・運動のセルフケアを「やさしく、でも本質を外さず」をモットーに発信しています。

プロフィールを見る →